Article

エネルギー貯蔵:全ポリマーナノコンポジットにおける巨大エネルギー貯蔵と誘電性能

Nature 651, 8105 doi: 10.1038/s41586-026-10195-2

電気エネルギー貯蔵に用いられる誘電性ポリマーは、高温動作を維持しつつ、高い誘電率(K)、低い損失、高い破壊強度(Eb)などの主要な指標を兼ね備える必要がある。数十年にわたってポリマー・無機コンポジット(複合材料)が研究されてきたが、これらの目標達成における成功は限られている。今回我々は、ナノ相分離を通して自己組織化し、三次元全ポリマーナノコンポジットを形成する、2種類の双極性ポリマーの高温非相溶性ブレンドを提示する。結果として得られたナノ構造は、コイル状鎖の形態と大きなコンホメーション変化を誘起し、これが、両ポリマーの比較的低い回転障壁と高い双極子モーメントと組み合わさって、広い温度範囲にわたって低い損失(tanδが約0.002)を維持しつつ、非常に高い誘電応答(K > 13)をもたらした。同時に、ナノ構造界面は可動電荷の障壁として働き、高い電場と温度において伝導損失を著しく低減させた。高いKと高いEbと低い損失を同時に実現するこの全ポリマー三次元ナノコンポジットによって、高温において、かつてない放電エネルギー密度がもたらされた(150℃で18.7 J cm−3、200℃で15.1 J cm−3、250℃で8.6 J cm−3)。今回の手法は、他の非相溶性双極性ブレンドにも適用でき、その普遍性と調整可能性を実証している。本研究は、電気エネルギー貯蔵における緊急の必要性に対処するとともに、幅広い温度範囲にわたる高エネルギー密度ポリマー誘電体の実現に向けて新しいパラダイムをもたらすものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度