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磁性:カイラル反強磁性秩序の無磁場完全スイッチング
Nature 651, 8105 doi: 10.1038/s41586-026-10175-6
カイラル反強磁性体は八極子秩序を有し、反強磁性体と強磁性体の利点を兼ね備えている。数多くのスイッチング戦略が開発されているものの、無磁場完全スイッチングはいまだ知られておらず、メモリー技術における実用化の重要な障壁となっている。今回我々は、Mn3Sn(0001)下層と多結晶Mn3Sn上層で構成されるホモ接合を調製した。多結晶Mn3Sn内の傾斜したカゴメ構造は、Mn3Sn(0001)層からの面直スピン分極をカゴメ面直成分とカゴメ面内成分に分割し、それぞれ対称(反強磁性体型)と非対称(強磁性体型)の駆動力を発生させる。前者は八極子回転を加速する一方、後者はスイッチングのカイラリティを決定する。無磁場完全スイッチングが、反強磁性スイッチングと強磁性スイッチングの両方の利点を統合した非従来型プロトコルにおいて実現された。これは、垂直一軸異方性を必要とする従来型完全スイッチングの枠組みを超えるものである。八極子秩序のスピントルク特性に由来する高効率な駆動力と、容易面異方性に起因する極低エネルギー障壁によって、電流密度と消費電力の両方が以前の構成より1桁低いという前例のないスイッチング効率が達成され、従来型プロトコルにおけるトレードオフが克服された。このゼロ磁場スイッチングはまた、八極子によるプログラム可能なカイラリティや、外部磁場に対するロバスト性という利点も示している。

