天文学:レンス・ティリング歳差運動をするマグネターエンジンが超高輝度超新星を駆動する
Nature 651, 8105 doi: 10.1038/s41586-026-10151-0
I型超高輝度超新星(SLSN-I)は標準的な超新星よりも少なくとも1桁明るいが、その光度のエネルギー源は依然として不明である。SLSN-Iの中心エンジンはマグネターであると示唆されているが、SLSN-Iの光度曲線のほとんどには複数のバンプが見られ、これらは標準的なマグネターモデルでは説明できない。こうしたバンプに対する既存の説明は、中心エンジンの光度を変調させるか、星周物質(CSM)との相互作用を想定するかのいずれかである。SLSN-Iの光度曲線の限られたサンプルの調査では、いずれのシナリオを支持する説得力のある証拠も見いだされておらず、光度曲線の変動の本質とマグネターモデルの適用可能性は共に未解明のままである。本論文で我々は、マグネターの中心エンジンの特性に直接結び付けることのできる、「チャープした」(すなわち周期が減少する)光度曲線のバンプを明瞭に示す、SLSN-Iの高頻度多波長観測の結果を報告する。我々の観測結果は、膨張する超新星噴出物内の中心部に位置するマグネターが、レンス・ティリング歳差運動をしながら内向きに落下する降着円盤に取り囲まれているとして矛盾しない。解析の結果、光度曲線とバンプ周波数によって独立かつ自己無撞着に、マグネターの自転周期がP = 4.2 ± 0.2 msに、磁場強度がB = (1.6 ± 0.1) × 1014 Gに絞り込まれることが実証された。これらの結果は、マグネターの環境におけるレンス・ティリング効果の最初の観測的証拠を与え、SLSN-Iで観測された極端な光度に対する説明としてマグネターの自転減速モデルを裏付けている。我々は、今回の発見が、若い超新星の過酷な中心部という、新たな領域における一般相対性理論の検証への道を開くと期待する。

