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生化学:ヒト脂質輸送タンパク質による脂質動員の系統的解析

Nature 651, 8105 doi: 10.1038/s41586-025-10040-y

脂質輸送タンパク質(LTP)は、細胞小器官膜の特殊な脂質組成を維持する働きをしている。ヒトでは多くのLTPが病気に関連するとされているが、LTPの大部分については輸送を促進するための積み荷や補助脂質が解明されていない。今回我々は、生化学、リピドミクス、さらに計算手法を組み合わせてLTP–脂質複合体の特性を系統的に解析し、LTPの機能獲得が細胞のリピドームにどのように影響するかを測定した。我々は、数百に及ぶLTPを解析し、その約半数について結合している脂質を特定し、既知のリガンドを確認するとともに、ほとんどのLTPファミリーにわたって新たなリガンドを突き止めた。LTPの機能獲得によって、既知の脂質リガンドと新たに特定された脂質リガンド両方の細胞内存在量が影響を受けた。これは、これら2つのリガンド群が機能的に同程度の重要性があることを示している。構造バイオインフォマティクスの手法を用いて、脂質の選択性に関わる仕組みを詳しく調べたところ、頭部基やアシル鎖に基づく選択性が見つかった。そこで、LTPがどのようにリガンドを動員するのか、基本原理の一部を明らかにした。LTPは一般に複数クラスの脂質と相互作用し、特定の頭部基を持つ脂質や1〜2個の不飽和炭素を含む短めのアシル鎖を持つ脂質種に幅広いながらも選択的な親和性を示す。これは、一部の脂質種だけが効率良く動員されることを示唆している。本研究のデータセットは、病気に関連した状態を含む、細胞のさまざまなタイプ・細胞状態での今後の解析に役立つ情報資源となるだろう。

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