光学・フォトニクス:ナノフォトニック導波路のチップ・トゥ・ワールドのビーム走査
Nature 651, 8105 doi: 10.1038/s41586-025-10038-6
チップ・トゥ・ワールド(チップから自由空間へ)のシームレスなフォトニックインターフェースは、光学的測距、ディスプレイ、通信、コンピューテーション、量子情報科学において幅広い進歩を可能にする。理想的なソリューションによって、回折限界ビームを、フォトニック集積回路上の任意の位置から多数の分解可能なスポットに二次元走査することができるようになる。現在のビーム走査技術は基本的なトレードオフによって制限されており、回折光学素子を備えたフォトニック集積回路はスケーラビリティーに優れるがモード品質が低く、一方で慣性に制限されるマイクロメカニカルスキャナーは高品質ビームをもたらすがスケーラブルに集積できない。今回我々は、これらの制限を克服する「フォトニック・スキージャンプ」という、圧電カンチレバー上にモノリシックに集積したナノスケール導波路を報告する。これは、0.1 mm2未満のフットプリント内で受動的に面外に向けて約90°湾曲しており、サブマイクロメートルの広帯域回折限界ビームを放射し、Q値が1万を超えるキロヘルツレートの機械的共振を示す。我々のデバイスは、(相補型金属酸化膜半導体(CMOS)の大量生産ファウンドリで作製されたもので、スケーラブルな二次元ビーム走査が可能である。このデバイスは、CMOSレベルの電圧での共振駆動により、フットプリント補正後のスポットレートで1 mm2当たり毎秒68.6メガスポットを達成した。この値は、最先端の微小電気機械システム(MEMS)ミラーの50倍以上であり、直径約1.5 mmのフットプリントから100 Hzで100万画素の解像度を得るのに十分である。我々は、フルカラー画像や動画投影、ダイヤモンド中のケイ素空孔中心の単一光子初期化と読み出しを実証した。さらに我々は、64個のスキージャンプからなるアレイにわたって均一性を実証することによって、直径5 cm未満のフットプリント内で、キロヘルツレートで1ギガスポットを超える解像度を達成する経路を確立し、集積フォトニックプロセッサーと自由空間の間にシームレスな光パイプラインを構築した。

