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がん:肺がんで高可塑性の細胞状態が担う重要な役割

Nature 651, 8104 doi: 10.1038/s41586-025-09985-x

可塑性(細胞が表現型移行を起こす能力)は、がんの進行と治療抵抗性を促進する。最近の研究で、固形腫瘍の可塑性は少数のがん細胞からなるサブセットに集中していることが示唆されているが、in situでこの可塑性の高い細胞状態(HPCS)を調べた機能研究はない。今回我々は、自然発生した肺腫瘍において、HPCSの検出と縦断的細胞系譜追跡、およびその除去が可能なマウスモデルを開発した。細胞系譜追跡では、HPCS細胞は細胞状態の移行について高い能力を備えており、in situで初期の腫瘍性(分化型)状態と進行した肺がんの細胞状態の両方を生じることが明らかになった。分泌型ルシフェラーゼを用いた縦断的細胞系譜追跡により、HPCS由来細胞はバルクのがん細胞、あるいは分化した肺上皮の特徴を持つ別のがん細胞状態と比べて高い増殖能力を持つことが分かった。初期腫瘍性病変内でHPCS細胞を除去すると良性から悪性への移行が起こらなくなるが、確立された腫瘍内での自殺遺伝子もしくはキメラ抗原受容体(CAR)T細胞によるHPCSの除去では、腫瘍負荷がロバストに減少した。さらに、HPCSが治療抵抗性の細胞状態を生じさせるが、その一方でHPCSの除去は化学療法とがんタンパク質標的療法に対する抵抗性を抑制することも実証された。注目すべきことに、HPCS様状態は再生中の上皮や複数の他の組織のがんで広く見られ、このことは、可塑性プログラムの収斂を示している。我々の研究は、HPCSががん細胞状態間の相互移行を可能にする重要なハブであることを確証している。肺がんをはじめとするがんでのHPCSの標的化は、がんの進行を抑制し、治療抵抗性を根絶できる可能性がある。

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