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腫瘍免疫学:微生物相に誘導されるT細胞可塑性は免疫を介した腫瘍制御を可能にする

Nature 651, 8104 doi: 10.1038/s41586-025-09913-z

免疫系を利用して腫瘍細胞を標的として除去する治療法は、がん治療に革新をもたらした。T細胞活性化の負の調節因子を阻害することにより抗腫瘍免疫応答を高める免疫チェックポイント阻害(ICB)は、がん患者の一部において顕著な成功を収めている。しかし、治療に応答しない患者がかなりの割合で存在し、ICB療法の有効性に影響を及ぼす要因を理解する必要性が浮き彫りになっている。腸の微生物相は、消化管に存在する数兆の微生物から構成されていて、免疫機能とがん免疫療法への応答の重要な決定要因であることが明らかになっており、いくつかの研究では、微生物相の組成と臨床応答の関連が実証されている。しかし、腸の共生菌がICBの有効性にどのように影響を及ぼすかについての機構的な解明はなされていない。今回我々は、小腸粘膜固有層(SILP)で抗原特異的な17型ヘルパーT(TH17)細胞エフェクタープログラムを誘導する腸共生菌であるセグメント細菌(SFB)を用いて、SFBと抗原を共有する腫瘍の遠位での増殖抑制において、SFBの定着がICBの有効性にどのように影響を及ぼすかを調べた。その結果、抗PD-1(programmed cell death protein 1)治療は、マウスにSFBが定着している場合にのみ、移植されたSFB抗原発現黒色腫の増殖を効果的に抑制することが分かった。我々は、T細胞受容体(TCR)クローン系譜追跡、運命マッピング、ペプチド–主要組織適合遺伝子複合体(MHC)四量体染色により、SILPでのSFB定着によって誘導された恒常的TH17細胞から生じる、腫瘍関連SFB特異的1型ヘルパーT(TH1)様細胞を特定した。腸で教育されたこれらのex-TH17細胞は、腫瘍微小環境(TME)内で炎症性サイトカインであるインターフェロン(IFN)γと腫瘍壊死因子(TNF)を高レベルで産生し、抗原提示を高めて、CD8+腫瘍浸潤細胞傷害性リンパ球の動員、増殖、エフェクター機能を促進し、これによって抗PD-1を介した腫瘍制御を可能にする。SFBが誘導するIL-17A+CD4+ T細胞(腫瘍関連TH1様細胞の前駆細胞)を条件付き除去すると、抗PD-1を介した腫瘍制御が消失し、TME内の腫瘍特異的CD8+ T細胞の動員とエフェクター機能を顕著に阻害された。我々のデータは、原理の証明として、単一の特定の腸共生菌が、T細胞可塑性をインプリンティングしてPD-1阻害を増強する細胞経路を明らかにしており、ICBの有効性を拡大する戦略として微生物相を標的とした調節を示している。

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