計算生物学:遺伝的設計空間の超ハイスループットマッピング
Nature 650, 8103 doi: 10.1038/s41586-025-09933-9
これまで、大規模な超並列遺伝子スクリーニングを用いて、さまざまな遺伝要素について塩基配列と機能の関係のマッピングが行われてきた。しかし、これらの方法では短い塩基配列しか調べられないため、数キロ塩基(kb)の長さにわたって配置された複数の配列要素の組み合わせを含む構築物について、ハイスループットなアッセイを行うことは依然として難問である。この障壁を克服することができれば、合成生物学の進歩が加速されるだろう。すなわち、設計された多様な遺伝子回路をスクリーニングして「構成から機能へ」のマッピングを学習することによって、遺伝子部品の組み合わせ可能性の法則が明らかになり、挙動を最適化した設計変異体の迅速な検証が可能になる。今回我々は、遺伝子スクリーニングの新しいプラットフォームCLASSIC(combining long- and short-range sequencing to investigate genetic complexity)法を開発した。これはロングリードとショートリードの次世代塩基配列解読(NGS)モダリティーを組み合わせて、多様な構成の遺伝子部品を含む任意長の構築物を集めたプールを定量的に評価するためのプラットフォームである。我々は、CLASSICが、ヒト細胞での1回の実験において、105を超える数の遺伝子回路設計(5~20 kb)の発現プロファイルを測定できることを示す。得られたデータセットは、もっと広い回路の設計空間にわたって回路の挙動を正確に予測する機械学習モデルの訓練に使用でき、回路の性能を支配する部品の組み合わせ可能性の法則を明らかにできる。CLASSICは、個々の設計–構築–試験–学習サイクルのスループットを拡大することによって、合成生物学の進歩の速度と規模を高めて、複雑な遺伝子系のデータ駆動型設計のしっかりした実験基盤になることが、この研究によって明らかになった。

