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がん:ヒト前がん大腸病変のポリクローナル起源

Nature 650, 8103 doi: 10.1038/s41586-025-09930-y

がんは一般的に、単一の変異細胞の増殖によって引き起こされると考えられている。しかし、初期大腸がん病変の解析では、むしろ腫瘍は遺伝的に異なる複数の細胞集団に起源を持つ可能性が示されている。患者でポリクローナル腫瘍のイニシエーションを検出することは、クローンの一掃によって多様性が見えなくなる前に初期病変のプロファイリングが必要であるため、困難である。我々はこれを調べるために、家族性腺腫性ポリポーシスの患者6人から採取した正常な大腸粘膜、良性ポリープ、異形成前がんポリープ、悪性大腸腺がん(計123試料)を解析した。家族性腺腫性ポリポーシス患者は、APCの生殖細胞系列変異をヘテロ接合で有しており、成人期初期までに大腸がんと多数の前がんポリープを発症しやすくなっていた。全ゲノムまたは全エキソームあるいはその両方の塩基配列解読では、多くの前がんポリープ(組織学的に40%は良性、28%は異形成性)は、初期に分岐した複数の遺伝的系統で構成されることが明らかになり、これはポリクローナル起源と一致する。この結論は、他の複数の患者のポリープから採取した単一陰窩の全ゲノム塩基配列解読の結果、同一病変内の陰窩間で共通する変異が限られていたことによっても裏付けられた。ある症例では、単一ポリープの異なる系譜内に複数の異なるAPC変異が共存しており、これはポリクローナル性と整合する。これらの知見は、新生物の初期事象についての理解を刷新するもので、腫瘍イニシエーションが多様な変異クローンの収斂から生じ得ることを実証している。今回の知見はまた、細胞内因性の増殖優位性のみでは、腫瘍イニシエーションを十分に説明できない可能性を示しており、これにより、がん進化の初期における微小環境因子と組織レベル因子の重要性が浮き彫りとなった。

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