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神経学的疾患:グリア細胞からニューロンへのミトコンドリア移行は末梢ニューロパチーを防ぐ

Nature 650, 8103 doi: 10.1038/s41586-025-09896-x

後根神経節(DRG)の一次感覚ニューロンは長い軸索を持ち、ミトコンドリアの需要が高い。そして、ミトコンドリアの機能不全は、糖尿病や化学療法後の末梢神経障害に関連するとされてきた。しかし、一次感覚ニューロンがミトコンドリアの供給を維持する機構は未解明である。DRG内のサテライトグリア細胞(SGC)は、感覚ニューロンを取り囲み、神経活動と疼痛を調節している。本論文で我々は、SGCはin vitro、ex vivo、in vivoにおいて、SGC由来のミオシン10(MYO10)を伴うトンネルナノチューブを形成することで、ミトコンドリアをDRG感覚ニューロンに移動させられることを示す。走査型電子顕微鏡観察と透過型電子顕微鏡観察により、マウスおよびヒトのDRGにおいて、SGCと感覚ニューロンの間にトンネルナノチューブ様の超微細構造が認められた。健常マウスでミトコンドリア移行を阻害すると、神経変性と神経障害性疼痛が生じた。単一核RNA塩基配列解読とin situハイブリダイゼーションにより、ヒトSGCでMYO10が高発現していることが明らかになった。さらに、糖尿病患者のDRG由来のSGCでは、MYO10の発現が低下し、ニューロンへのミトコンドリア移行が減少していた。ヒトSGCをマウスDRGに養子移入すると、末梢ニューロパチーに対するMYO10依存的な防御効果がもたらされた。本研究は、これまで知られていなかった末梢グリア細胞の役割を明らかにし、糖尿病における小径繊維ニューロパチーへの知見をもたらすとともに、神経障害性疼痛の管理のための新たな治療戦略を提示している。

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