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分子生物学:ストレスはヒストンH3のユビキチン化を介してヘテロクロマチンの継承を制御する

Nature 650, 8102 doi: 10.1038/s41586-025-09899-8

ヒストンH3リシン9のメチル化により標識されたヘテロクロマチンは、細胞分裂を通してエピジェネティックに継承され、細胞のアイデンティティーを保つとともに環境課題に適応できるよう遺伝子抑制を維持する。分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)での研究によって、ヘテロクロマチンの伝播は読み取り–書き込み機構に依存しており、H3K9me3修飾されたヌクレオソームがヒストンデアセチラーゼによって安定化されて十分な密度であると、クロマチン上のClr4SUV39Hを濃縮して、H3K9メチル化蓄積をさらに促進することが示されている。E3ユビキチンリガーゼ複合体ClrCのサブユニットの1つであるClr4SUV39Hによるヘテロクロマチンの伝播を制御する機構が他にもあるかどうかは不明であった。今回我々は、ヒストンデアセチラーゼ活性がない場合にも幅広くヘテロクロマチンの伝播を制御する、ユビキチン依存性ヘテロクロマチン継承調節ハブ(HRH)を見いだした。HRHは、ClrCユビキチンリガーゼの基質受容体である制限因子Raf1DDB2によって調節される。Raf1DDB2は、Clr4SUV39Hをクロマチン上の他のClrC構成要素と結び付ける役割に加えて、遺伝子量依存的にヒストンH3リシン14のユビキチン化(H3K14ub)を促進する役割を果たす。このユビキチン化が、ヘテロクロマチンの自己伝播に不可欠である。HRHは、ナンセンス変異依存mRNA分解(NMD)やTOR(target of rapamycin)シグナル伝達系などの環境応答性経路と複雑に結び付いており、そのおかげで細胞は環境条件の変化に適応できるようになる。細胞はヘテロクロマチンの伝播を調整することにより、HRHを活用して抗真菌薬への抵抗性を獲得したり、高温に適応したりする。このようにヘテロクロマチンの自己伝播は、外部刺激に応じてH3K14ubを介して能動的に調節されており、これらの知見は、生理的条件下と疾患においてエピジェネティックな全体像の迅速な変化を制御する機構を理解する上で、幅広い意味を持つ。

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