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神経科学:視覚目印はゼブラフィッシュのコンパスニューロンに可塑的に係留される
Nature 650, 8102 doi: 10.1038/s41586-025-09888-x
視覚は、動物が環境内でナビゲーションする際に重要な情報源となり得る。例えば、視覚目印は進行方向を一定に保つために役立ち、視野の流れを累計することでターンの角度を推計することもできる。さまざまな動物種で、頭方位(HD)ニューロンが、こうした視覚手掛かりを用いていることが知られているが、この過程を可能にする回路機構は脊椎動物では未知のままである。今回我々は、脊椎動物のモデル系として最小のものの1つであるゼブラフィッシュ仔魚で最近同定されたHD細胞が、視覚情報をいかに取り込んでいるかを検討した。2光子顕微鏡法とパノラマ仮想現実装置を組み合わせ、我々は、ゼブラフィッシュHD細胞が、視覚目印と視野の流れの両者を利用することでさまざまな情景の方位を高い信頼度で追跡できることを示した。視覚目印と脳内での方位表象の対応関係は、仔魚個体ごとに特異的かつ経験依存的だった。また、視覚目印の追跡には、HD細胞の神経突起が分布する脚間核に対する手綱核からの左右非対称な投射が必要であることも示された。これらの生理学的・形態学的知見は、ハエのリングニューロンと平行関係を成しており、手綱核の軸索でも類似のヘッブ則に基づく可塑性機構が働いていることを示唆している。総じて、ゼブラフィッシュ仔魚の後脳HD細胞が精巧な終脳視覚回路なしに視覚手掛かりを利用可能であるという今回の知見は、脊椎動物におけるナビゲーション回路の進化に新たな光を当てるものである。

