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微生物遺伝学:遺伝子特異的な選択的一掃はヒト腸マイクロバイオーム全体に広く見られる
Nature 650, 8102 doi: 10.1038/s41586-025-09798-y
ヒト腸マイクロバイオームは、非常に多様な種のコンソーシアムで構成されており、宿主内および宿主間で絶えず進化している。多くのヒト腸マイクロバイオームに共通する適応を特定する能力は、宿主間で共有される選択圧だけでなく、群集構造や宿主形質に影響を及ぼす可能性があるマイクロバイオームの機能的分化の重要な駆動因子も示すだろう。しかし、適応がヒト腸マイクロバイオーム全体にどの程度広がっているかは比較的分かっていない。今回我々は、統合連鎖不平衡スコア(iLDS)と名付けた新しい選択スキャン統計量を開発した。iLDSにより、移動や遺伝子の水平伝播によって宿主マイクロバイオーム間に広がっている適応対立遺伝子の一掃を検出できる。具体的には、iLDSは、ある有益なバリアントに有害な複数のバリアントが便乗する際のシグナルを利用する。この統計量を、世界中の24のヒト集団で最も広く見られる約30の腸共生細菌種に適用したところ、種をまたいで300以上の選択的一掃が示された。我々は、糖質代謝に関与する座位で選択的一掃の濃縮を見いだし、宿主の食餌へ適応していることが示唆された。我々はまた、選択の標的は先進工業国の集団と非工業国の集団の間で有意に異なることを見いだした。これらの一掃の1つは、最近、先進工業国の食餌を広く構成する要素となっている合成デンプンであるマルトデキストリンの代謝に関与することが知られている座位に位置していた。まとめると我々の結果は、細菌株間の組換えがヒト腸の共生細菌における広範な適応進化を促すことを示すとともに、宿主の食餌と生活様式が重要な選択圧であることを強く示唆している。

