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システム生物学:組織の時間的動態を空間的なスナップショットから得る

Nature 650, 8101 doi: 10.1038/s41586-025-09876-1

炎症やがんのような生理的過程や病態形成過程は、時間をかけて進む細胞間相互作用から生じる。しかし現在のところ、ヒト組織が自然状態にある中で細胞集団を経時的に追跡する方法はない。それは、生検では単回のスナップショットしか得られないためである。今回我々は、ワンショット組織動態再構築法(OSDR)という、単一の組織サンプルに基づいて細胞集団の動的モデルを推定する方法を考案した。OSDRは、空間プロテオミクスを用いて、細胞近傍の構成が細胞の分裂速度にどのように影響するかを学習し、細胞集団が時間とともに変化する様子を示す動的モデルをもたらす。我々は、OSDRをヒトの乳がんデータに適用して、繊維芽細胞とマクロファージの相互作用について、2つの定点を再構築した。これらの定点は、ホットフィブローシス(マクロファージと繊維芽細胞が活性化)とコールドフィブローシス(繊維芽細胞が活性化)に相当し、これらの動態を直接測定した共培養実験の結果とよく一致した。次いで我々は、OSDRを使って腫瘍微小環境内でT細胞およびB細胞がパルス形成する興奮性回路を発見した。これは、抗がん免疫応答の一時的亢進を示唆する。さらに、トリプルネガティブ乳がんの臨床試験で得られた長期間にわたる縦断的生検について検討したところ、OSDRは治療初期の生検に基づいて、薬剤反応者では腫瘍細胞集団が崩壊することを予測したが、薬剤非反応者では崩壊を予測しなかった。このようにOSDRは、広範な空間的プロテオミクスアッセイに適用可能であり、患者の生検に基づく組織の動態解析を可能にする。

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