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免疫学:胸腺由来因子の肝臓での一時的な再構築は老化した免疫を強化する

Nature 650, 8101 doi: 10.1038/s41586-025-09873-4

老化はT細胞レパートリーを作り替えることなどによってヒトの免疫を損なうため、感染症や悪性腫瘍、ワクチン不全を引き起こしやすくなる。免疫機能を若返らせる試みは、これまでのところわずかな成果しか上がっておらず、毒性や臨床での実現可能性の欠如が制約となっている。今回我々は、老齢マウスを用いて、肝臓を一時的に転用することにより、加齢で衰えた免疫シグナルを回復させてT細胞の機能を改善できることを明らかにした。これらの免疫シグナルは、若齢マウスと老齢マウスで、中枢ニッチと末梢ニッチの両方を通してマルチオミクスマッピングを行うことによって見つかり、この結果によって、加齢とともに衰える経路として、インターロイキン-7(IL-7)シグナル伝達と共に、Notch経路とFms様チロシンキナーゼ3リガンド(FLT3L)経路が特定された。DLL1(Delta-Like Protein 1)、FLT3L、IL-7をコードするmRNAを肝細胞に導入したところ、共通リンパ球前駆細胞が増殖し、造血幹細胞(HSC)の組成には影響を及ぼさずに胸腺でのde novoリンパ球形成が促進され、T細胞が補充されるとともに樹状細胞が増えて、その機能が強化された。老齢マウスにこれらのmRNAを投与すると、ペプチドワクチンへの応答が改善し、腫瘍特異的CD8+細胞の浸潤とクローン多様性が増加して、免疫チェックポイント阻害と協働することにより、抗腫瘍免疫が回復した。これらの効果は投与中止後には元に戻り、自己免疫寛容は破壊しないので、炎症や自己免疫を引き起こす傾向のある組換えサイトカイン治療とは対照的である。これらの知見は、mRNAを利用するこの方法により全身性免疫の調節が見込めることを示しており、老化した集団での免疫レジリアンスの維持を狙った介入が有望なことが明らかになった。

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