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原子核物理学:中性子照射によって引き起こされるミグダル効果の直接観測
Nature 649, 8097 doi: 10.1038/s41586-025-09918-8
暗黒物質の探索は現在、MeVからGeVの範囲の質量を持つ仮説上の軽い粒子に焦点が合わせられている。これらの粒子は、実験では非常に微弱な信号しか残さないと考えられる。軽い物質に対する実験的な感度を高める可能性のある方法は、ミグダル効果という、原子が中性の暗黒物質と衝突して瞬間的に加速された際に検出可能な電子を放出する現象に基づくものである。しかし、ミグダル効果は中性の衝突体を用いる制御された実験でも同様に生じる可能性があるものの、この効果の実験的な直接観測例は存在せず、この効果に依存する検出実験の信頼性に疑問を投げ掛けている。本論文で我々は、中性子と原子核の衝突におけるミグダル効果の直接観測結果について報告する。これはおよそ106件の記録された事象のうち6件の候補事象に基づくもので、5標準偏差の統計的有意性を実現している。我々の実験によって、核反跳断面積に対するミグダル断面積の比は4.9+2.6−1.9 × 10−5であり、核反跳は35 keVeeを超え、電子反跳は5~10 keVの範囲にあると決定された。これらの知見は、理論的な予測と矛盾しない。今回の研究は、実験的検証における長年の空白を解消するものであり、ミグダル効果の理論的な基礎を強化するだけでなく、軽い暗黒物質の検出への応用に道を開くものである。

