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化学:非環状N立体中心アミンの不斉合成
Nature 649, 8097 doi: 10.1038/s41586-025-09905-z
化学や生物学において、多くの分子は光学活性(キラル)であり、鏡像異性体、すなわちエナンチオマーを有する。しかし、炭素原子を立体中心とする分子の選択的化学合成は十分確立されている一方で、窒素原子を立体中心とする分子のエナンチオ選択的合成法はごく限られており、非環状N立体中心アミンの場合、ピラミッド構造の高速反転が起こるため、その例は極めてまれである。今回我々は、かさ高いキラルカウンターアニオンとイオン対を形成するニトロニウムイオンへのエノールシランの付加による、安定な非環状N立体中心アミンの触媒的不斉合成について報告する。得られたいわゆるアノマーアミンにおいては、一般に観察されるような異性化が2つのN-オキシ-置換基によって抑制され、窒素反転が妨げられている。今回の立体中心形成の鍵となる段階は、これまでに確立されたエナンチオ区別の立体化学的記述子に疑問を投げ掛けるものである。計算化学的方法によって、観察された立体制御の起源に関してさらなる知見が得られた。今回の研究は、魅力的でありながらこれまであまり検討されてこなかった光学活性(エナンチオピュア)なアノマーアミンの化学を探究する新たな道を開くものである。

