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生化学:ミトコンドリアのフェレドキシンFDX2の変異はフラタキシン欠乏を抑制する

Nature 649, 8097 doi: 10.1038/s41586-025-09821-2

フラタキシンは、ミトコンドリア内に古代から存在する鉄–硫黄クラスター生合成装置の重要成分の1つであり、システインデスルフラーゼNFS1のアロステリックな活性化因子として働く。フラタキシンレベルの低下は、最もありふれた遺伝性の運動失調症であるフリードライヒ運動失調症の原因となる。酵母、線虫の一種であるCaenorhabditis elegans、ヒトの細胞は、「許容的な」低酸素分圧下で増殖させると、フラタキシン欠乏に耐えられる。今回我々は、許容的酸素分圧と非許容的酸素分圧を活用して、C. elegansにおいて偏りのないゲノム規模の順遺伝学的スクリーニングを行い、フラタキシンの必要性を回避できるサプレッサー変異を発見した。全ての変異は優性(顕性)に働き、いずれもフェレドキシン遺伝子FDX2/fdx-2あるいはシステイン脱硫酵素遺伝子NFS1/nfs-1内に存在し、FDX2–NFS1結合界面にアミノ酸置換を引き起こした。遺伝学的解析と生化学的解析によって、これらのサプレッサー変異はフラタキシン非存在下で鉄–硫黄クラスターレベルを増加させることが分かった。さらに我々は、過剰なFDX2が、in vitroでフラタキシンによって刺激されたNFS1の活性を阻害し、培養哺乳類細胞において鉄–硫黄クラスターの合成を妨げることも実証する。これらの知見は、フラタキシンとFDX2がNFS1上の同一部位の占有を巡って競合することを示す構造的・生化学的証拠と符合する。我々は、遺伝子コピーを1つ失わせることによって野生型FDX2レベルを低下させると、正常酸素分圧下でフラタキシンに変異のあるC. elegansの増殖や、フリードライヒ運動失調マウスモデルの運動失調表現型を改善できることを示す。これらの遺伝学的・生化学的研究は、FDX2の部分的ノックダウンによってフラタキシンとFDX2の化学量論的バランスを回復させることが、フリードライヒ運動失調の有望な治療法になり得ることを示している。

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