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神経科学:嗅覚回路でシナプス結合相手とのマッチングを教示する反発性相互作用
Nature 649, 8097 doi: 10.1038/s41586-025-09768-4
ニューロンは、シナプス結合の相手を選ぶ際、並外れた正確性を示す。発達中の軸索と樹状突起の間で誘引性の相互作用を媒介する細胞表面タンパク質(CSP)が、シナプス結合相手とのマッチングを教示することが示されているが、反発性相互作用がどの程度の役割を果たしているかはよく分かっていない。今回我々は、単一細胞トランスクリプトームに基づく遺伝的スクリーニングを用い、発達中のショウジョウバエ(Drosophila)の嗅覚回路で、3つのCSP対(Toll2–Ptp10D、Fili–Kek1、Hbs/Sns–Kirre)が、結合相手でない嗅覚受容器ニューロン(ORN)の軸索と投射ニューロン(PN)の樹状突起間の反発性相互作用を媒介することを突き止めた。各CSP対は、選択したORN–PN結合相手との間では、逆の発現パターンを示す。ORNにおいて各CSPが欠失すると、PNにおける相手のCSPが欠失した場合と同様に、シナプス結合の対合不全を起こし、また、一方のCSPの過剰発現で起こる標的表現型の誤りは、相手方CSPの欠失によって抑制され得ることが分かった。これらのCSP対は全て、他の脳領域でも差次的な発現を示す。まとめると今回の知見は、複数の反発性CSP対は協働して、不適合な相手との結合の形成を防ぐことにより、発達中の正確なシナプス結合相手とのマッチングを保証していることを明らかにしている。

