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神経科学:味覚情報処理の進化が食餌選好性を変化させる
Nature 649, 8097 doi: 10.1038/s41586-025-09766-6
食物の選択は、種分化と新規な生態的ニッチへの侵入の重要な駆動要因である。しかし、食餌選好性の変化につながる機構についてはほとんど知られていない。今回我々は、近縁種であるセイシェルショウジョウバエ(Drosophila sechellia、Dsec)、オナジショウジョウバエ(Drosophila simulans)、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の3種を用いて、味覚回路と食物選択の進化を調べた。Dsecは単一の果実(ヤエヤマアオキ〔Morinda citrifolia、別名ノニ〕)のみを餌とする宿主スペシャリストであるのに対し、他の2種はさまざまな餌を食するジェネラリストである。我々は、定量的な複数の摂食解析を用いて、Dsecにおけるノニへの選好性を再現し、末梢の味覚ニューロンのカルシウム画像化により、甘味感受性は保存されているが苦味感受性は変化していることを見いだした。Dsecでは単一の味受容体に小さな欠失があり、これに起因して、ノニはDsecの苦味感知ニューロンを他の2種でよりも強く活性化する。腹側脳での容積カルシウム画像化によって、末梢の生理学特徴ではなく、感覚運動回路におけるノニ信号とショ糖信号の種特異的な情報処理が、食餌選好性の差異を再現することが示された。我々のデータは、食物選択の変化が、末梢受容体の変化だけでは説明できず、むしろ、感覚情報が摂食運動指令に変換される方法における変化によって説明できることを示している。

