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細胞生物学:細胞のATP需要がミトコンドリアに代謝的に違いのある亜集団を生じさせる

Nature 635, 8039 doi: 10.1038/s41586-024-08146-w

ミトコンドリアは、ATPの合成と巨大分子前駆体の産生を支えるという、細胞の成長と増殖にとって極めて重要な役割を担っている。酸化的リン酸化(OXPHOS)は、主としてトリカルボン酸回路由来の中間体の酸化に依存しているが、ミトコンドリアによるプロリンとオルニチンの産生は還元的合成に依存している。これらの競合する代謝経路が同一の細胞小器官内でどのようにして起こるのかは、まだ解明されていない。今回我々は、細胞のOXPHOS依存度が高まると、ピロリン-5-カルボン酸シンターゼ(P5CS、プロリンとオルニチンの還元的合成の律速酵素)が、クリステとATP合成酵素を持たない一群のミトコンドリアへと隔離されることを明らかにする。この隔離は、P5CSに本来備わるフィラメント形成能とミトコンドリアの融合分裂サイクルの両方によって推進される。マイトフュージンを介した融合、もしくはダイナミン様タンパク質1を介した分裂を妨げることによってミトコンドリアの動態を阻害すると、クリステとATP合成酵素が濃縮されたミトコンドリアからのP5CSを含むミトコンドリアの分離が起こらなくなる。ミトコンドリアの融合と分裂を介したこれらの代謝経路の分離失敗によって、細胞は結果として、プロリンの還元的合成を維持しつつOXPHOS能力を犠牲にするか、適応的OXPHOSを維持する代わりにプロリン合成を差し控えるかのどちらかになる。これらの知見は、栄養素の入手可能性の変化や生体エネルギーの需要に応じて酸化的生合成と還元的生合成を共に維持していくのにミトコンドリアの分裂と融合が果たしている重要な役割を示す証拠である。

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