天文学:大質量の星形成銀河における高速電波バーストの選択的な出現
Nature 635, 8037 doi: 10.1038/s41586-024-08074-9
高速電波バースト(FRB)は、天の川銀河の外に検出される、継続時間がミリ秒の天体現象である。FRBの放射特性は、その放射源として強い磁気を帯びた中性子星、つまりマグネターを支持しており、これは、銀河内のマグネターからのFRBに似たバーストやFRBの母銀河における星形成の特性から明らかになっている。しかし、FRB源を生成する過程は依然明らかになっていない。銀河内のマグネターは重力崩壊型超新星(CCSNe)に関連付けられることが多いが、どの超新星がマグネターを生じるかを決めているのが何かは、よく分かっていない。FRB源の銀河環境は、FRB源の前駆天体を調べるために利用することができる。本論文で我々は、ディープ・シノプティック・アレイ(DSA-110)によって発見された30のFRB母銀河における恒星種族の特性を明らかにする。我々の解析結果は、宇宙における星形成の出現に比べて、低質量のFRB母銀河が際立って少ないことを示しており、これは、FRBが星形成の偏ったトレーサーであり、大質量の星形成銀河を優先的に選択していることを示唆している。この偏りは、恒星質量と正の相関にある、銀河の金属量によって引き起こされている可能性がある。金属量の多い星はコンパクトではなくロッシュローブを満たす可能性が高く、不安定な質量輸送につながることから、金属に富む環境では、恒星の合体を経てマグネターの前駆天体が形成されやすい可能性がある。大質量星は、ダイナモによる強力な磁場を発生させる内部の対流を持たないが、合体残骸はマグネターを生じるのに必要な内部の磁場強度を持つと考えられている。大質量の星形成銀河でのFRBの優先的な出現は、合体残骸の重力崩壊型超新星がマグネターを優先的に形成することを示唆する。

