考古学:中央アジアの高地で無人航空機ライダーにより明らかになった大規模な中世都市
Nature 634, 8036 doi: 10.1038/s41586-024-08086-5
航空機によるライダー(LiDAR:光による検出と測距)は、特に密な植生で遺跡の視認性が損なわれている場所において、考古学的な都市景観をマッピングするための強力な技術として登場した。近年では、無人航空機やドローンに搭載されたライダーによるスキャンにおいて三次元点群の解像度が飛躍的に向上しており、大規模な考古学遺跡にわたって構造的特徴のわずかな痕跡を数センチメートルの精度で検出することが可能になった。この方法は、急速な堆積や侵食によって考古学的な遺構や遺物が不規則に埋没したり露出したりする、山地のような場所では特に有用である。本論文で我々は、中央アジアのウズベキスタン南東部で最近発見された、タシュブラク(Tashbulak)およびトゥグンブラク(Tugunbulak)という2つの考古学遺跡で実施された無人航空機ライダー調査の結果を報告する。海抜約2000~2200 mに位置するこれらの遺跡は、中世アジアのシルクロード(紀元6~11世紀)の山岳地域の交差路に沿って存在する、新たに発見された大規模な高地都市の地理を明らかにしている。数世紀にわたる地表面過程によって隠されていたものの、極めて高解像度の地表面モデル化と半自動的な特徴検出を組み合わせることにより、トゥグンブラクの120 haにわたって広がる巨大な要塞と建築物の詳細な地図が得られ、これによって前近代の中央アジアで最大規模の高地都市群の1つが明らかになった。シルクロード交易網の極めて重要な連結地であった中央アジア山岳地域において、中世の地域社会の大規模な都市インフラと技術的産物が実証されたことで、中世ユーラシアの経済的、政治的、社会的形成への高地集団の参加に関する新たな視点が得られた。

