Article

医学研究:グアニル酸シクラーゼ受容体NPR1に対するアゴニスト抗体が血管緊張を調節する

Nature 633, 8030 doi: 10.1038/s41586-024-07903-1

心不全は、病的状態と死亡の主な原因である。心不全では、心内圧の上昇や心筋細胞の伸展により、これに拮抗するナトリウム利尿ペプチドの放出が引き起こされ、これがナトリウム利尿ペプチド受容体(NPR1)を介して作用し、血管拡張、利尿、ナトリウム利尿に影響を及ぼして、静脈圧を低下させ、静脈性うっ血を軽減する。組換えナトリウム利尿ペプチドの注入は心不全治療のために開発されたが、効果の持続期間が短いという限界がある。今回我々は、70万人以上についてのヒト遺伝学的解析において、NPR1遺伝子のコードバリアントへの生涯にわたる曝露が、血圧や心不全リスクの変化に関連していることを報告する。また、膜結合性グアニル酸シクラーゼ受容体であるNPR1を標的とする治験モノクローナルアゴニスト抗体REGN5381の開発についても報告する。REGN5381は、NPR1のアロステリックアゴニストで、受容体の活性型様コンホメーションを誘導し、その結果、動物モデルにおいて収縮期血圧や静脈圧の低下など、静脈血管系に優先的に血行動態効果がもたらされる。REGN5381は、健康なヒトボランティアにおいて、静脈圧の低下を反映する、期待された血行動態効果をもたらしたが、利尿やナトリウム利尿に明らかな変化は見られなかった。これらのデータは、心不全患者に症状を引き起こす静脈圧を長期にわたって選択的に低下させることを目的に、REGN5381を開発することの裏付けとなる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度