Article
物性物理学:電流駆動スキルミオンの動的転移とガリレイ相対性
Nature 633, 8030 doi: 10.1038/s41586-024-07859-2
伝導電子と磁気テクスチャーの結合は、創発電磁場の言語で記述される量子輸送現象につながる。粒子的な渦状スピン構造体である磁気スキルミオンの場合、そのトポロジカルな回転数によって創発磁場が生成される結果、伝導電子はトポロジカルホール効果(THE)を示す。スキルミオン格子(SkL)が伝導電子流の下でドリフト速度を得ると、創発電場も発生する。その結果としての創発電気力学が、SkLと伝導電子の相対運動によってTHEの大きさを決定付ける。今回我々は、Gd2PdSi3において、その巨大THEにより測定可能となった、SkL運動によって誘起される創発電気力学について報告する。我々は、電流励起の増大に伴う、ピン止め領域からクリープ領域、そして最終的にはTHEが全体的に抑制されるフロー領域へのSkL運動の動的転移を観測した。我々は、今回の化合物のような複雑なマルチバンド系であっても、THEの全体的な相殺に必要なガリレイ相対性が、フロー領域において一般的に回復する可能性があると主張する。さらに、観測されたTHE電圧が十分大きいため、SkL速度–電流プロファイルのリアルタイム測定が可能であり、この測定によって、スキルミオン速度の電流ヒステリシスとして現れる、クリープ領域におけるSkLの慣性的な運動が示された。

