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神経科学:熱赤外線がネッタイシマカの宿主探索行動を導く
Nature 633, 8030 doi: 10.1038/s41586-024-07848-5
蚊媒介性疾患には毎年数億人が罹患しており、開発途上国での影響が極端に大きい。蚊の1種であるネッタイシマカ(Aedes aegypti)は、デング熱、黄熱、ジカ熱の原因ウイルスの主要な媒介昆虫である。ネッタイシマカの雌のヒトへの誘引には、複数の手掛かりの統合が必要であり、そうした手掛かりには、呼気由来のCO2、皮膚から発せられる有機的なにおい、視覚的手掛かりなど、いずれも中長距離で感知されるものの他、ごく近距離で感知されるものが含まれる。今回我々は、ネッタイシマカがヒトを見つけるための感覚的手段の一部として用いている手掛かりの1つを特定した。我々は、ネッタイシマカが、標的が発する赤外線の放射を感知して、その情報を他の手掛かりと組み合わせることにより、極めて効果的な中距離のナビゲーションを行うことを実証する。熱赤外線の検知には、触角先端のニューロンで発現している熱活性化チャネルTRPA1が必要である。これらのニューロンでは、2つのオプシンがTRPA1と共発現していて、これらのオプシンが強度の低い赤外線の検知を促している。我々は、放射エネルギーが触角末端の局所的な加熱を引き起こすことで、熱感知ニューロンの温度感受性受容体が活性化されると提唱する。熱赤外線の放射が中距離の優れた方向的手掛かりであるという今回の知見は、蚊がいかに宿主の居場所の特定において極めて有能であるかについての理解を深める。

