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素粒子物理学:ATLAS検出器でトップクォークを用いて観測された量子エンタングルメント

Nature 633, 8030 doi: 10.1038/s41586-024-07824-z

エンタングルメントは量子力学のカギとなる特徴であり、計測、暗号、量子情報、量子計算などの分野での応用がある。エンタングルメントは、微視的なものから巨視的なものまで、さまざまな系や長さスケールで観測されている。しかし、到達可能な最高エネルギースケールでは、エンタングルメントはほとんど調べられていない。今回我々は、ATLAS実験で記録された重心エネルギーが√s = 13 TeVで積分ルミノシティーが140インバースフェムトバーン(fb)−1の陽子–陽子衝突データセットを使用して、大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で生成されたトップクォーク–反トップクォーク事象に最高エネルギーでのエンタングルメントを観測したことを報告する。スピンのエンタングルメントは観測可能量Dの測定から検出され、これは、親粒子であるトップクォークと反トップクォークの静止系における荷電レプトン間の角度から算出される。この観測可能量をトップクォークと反トップクォークの対生成のしきい値付近の狭い領域で測定する。この領域ではエンタングルメントの検出が有意になると期待される。モンテカルロ事象発生器やパートンシャワーモデルの限界から生じるトップクォーク対生成のモデル化の不確かさを最小限にするために、安定粒子を用いて定義された位相空間において、この可観測量を算出する。このエンタングルメント標識は、340 GeV < mtt < 380 GeVの場合にD = −0.537 ± 0.002(統計誤差)± 0.019(系統誤差)と測定された。この結果は、エンタングルメントのないシナリオから標準偏差5シグマより大きくずれていることから、クォーク対におけるエンタングルメントの最初の観測結果であるとともに、これまでで最高エネルギーでのエンタングルメントの観測結果である。

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