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神経科学:うつ病患者における前頭葉–線条体顕現性ネットワークの拡大

Nature 633, 8030 doi: 10.1038/s41586-024-07805-2

数十年にわたる神経画像化研究にもかかわらず、うつ状態の脳構造や神経結合の差はほとんど明らかになっておらず、うつ病発症に関する機構的手掛かりやリスク因子の特定は進んでいない。また、うつ病は反復性だが、縦断的な神経画像化研究は少なく、気分状態の遷移を引き起こす機構の理解が限られている。新たに出現した高精度脳機能マッピングの分野によって、高密度でサンプリングされた縦断的な神経画像化データが用いられるようになり、健常な個人間や個人内において、脳ネットワークのトポグラフィーや結合の行動的に意味のある差異が明らかになってきたが、この手法はまだうつ病には適用されていない。今回我々は、高精度脳機能マッピングと高密度で詳細にサンプリングされた複数のうつ病患者の試料を用いて、うつ病患者の大半では、皮質の前頭葉–線条体の顕現性ネットワークが2倍近く拡大していることを見いだした。この結果は複数の試料で再現可能で、主に隣接ネットワークとの境界の移動によって引き起こされており、ネットワークの拡大は個人間で異なる3種類のモードで起きていた。顕現性ネットワークの拡大は長期にわたり安定で、気分状態には影響されず、後の思春期にうつ病を発症する小児において発症前の時点で認められた。1年半にわたり最大62回のスキャンが行われた患者の縦断的解析では、特定の症状における変動を反映し、将来現れる無快感症を予測する、前頭葉–線条体回路の結合変化が明らかになった。まとめると今回の知見は、うつ病のリスクをもたらす可能性のある形質様の脳ネットワークトポロジーと、長期間にわたってうつ症状の出現と緩和を予測する前頭葉–線条体回路の気分状態依存的な結合変化を明らかにしている。

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