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細胞生物学:RASの発現量設定は細胞老化状態を変化させ、腫瘍イニシエーションに影響を及ぼす

Nature 633, 8030 doi: 10.1038/s41586-024-07797-z

発がん性RASによって誘導される細胞老化(OIS)は、前がん状態に関連する細胞自律的な腫瘍抑制機構である。この表現型の獲得には、通常は高レベルの発がんストレスが必要だが、がん遺伝子の低い発現量で引き起こされる表現型については明らかにされていない。今回我々は、in vitroとin vivoでの発がん性RASの発現量漸増モデルを開発し、RASの発現量に応じて引き起こされる非線形的に連続した下流表現型を明らかにした。in vivoでの肝細胞OISモデルでは、NRAS(G12V)の異所的発現は腫瘍を誘発せず、これは部分的にはOISが引き起こす免疫クリアランスによるものである。単一細胞RNA塩基配列解読解析では、典型的なOISの特徴あるいは前駆細胞様の特徴を持った異なる肝細胞クラスターが見つかり、これらはそれぞれ高レベルと中レベルのNRAS(G12V)に対応していた。低発現モデルでは、NRAS(G12V)発現肝細胞は免疫抵抗性になり、腫瘍を形成した。単一細胞分解能での時系列モニタリングでは、早発性のアグレッシブで未分化な肝細胞がんと、後発性の分化した肝細胞がんという、2つの異なる腫瘍タイプが特定された。それぞれのマウス腫瘍タイプの分子シグネチャーは、別々の前駆細胞の特徴と関連しており、異なるヒト肝細胞がんサブクラスで濃縮されていた。我々の結果は、がん遺伝子の発現量に応じたOISスペクトラムを明らかにすることにより、腫瘍発生初期における細胞老化と腫瘍イニシエーションの表現型を統合するものである。

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