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構造生物学:ヒトドーパミン輸送体でのドーパミン再取り込みと阻害の機構

Nature 632, 8025 doi: 10.1038/s41586-024-07796-0

ドーパミン輸送体は、ニューロンへのドーパミン取り込みによるドーパミン作動性神経伝達の調節に重要な役割を担っており、精神運動刺激薬乱用の可能性に関わっている。数十年にわたる研究にもかかわらず、ヒトドーパミン輸送体の構造、基質結合、コンホメーション遷移、薬物結合様式は明らかになっていない。今回我々は、ヒトドーパミン輸送体について、アポ状態の構造に加えて、基質であるドーパミン、注意欠陥多動性障害治療薬のメチルフェニデート、ドーパミン取り込み阻害剤GBR12909およびベンズトロピンと複合体を形成した構造について報告する。閉じた状態でドーパミンに結合した構造は、ドーパミンおよび結合したイオンの位置を正確に表している。薬物に結合した構造は、外向き状態と内向き状態が捕えられ、それぞれに異なる結合様式と基質輸送中のコンホメーション遷移が明らかになった。コカインによって安定化される外向き状態とはちがって、GBR12909とベンズトロピンはドーパミン輸送体を内向き状態で安定化し、これまでに知られていなかった薬物結合状態が明らかになって、それらの薬物がコカインの影響に拮抗する仕組みについての手掛かりが得られた。本研究は、ヒトドーパミン輸送体の機能解明と、ドーパミン輸送体に関連する障害やコカイン中毒に対する治療介入法開発のための枠組みを確立するものだ。

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