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古気候学:最終氷期極大期により深く強かった北大西洋循環

Nature 632, 8023 doi: 10.1038/s41586-024-07655-y

亜熱帯循環(STG)の深さと強度は、風応力カールと海面浮力強制により制御されている。現在の海洋観測データから、STGは北西大西洋で深さ約1 kmまで広がっており、その最大深度は亜熱帯水温躍層底部によって定義されていることが明らかになっている。最終氷期極大期(LGM)には風応力カールと表面浮力損失が大きかったと考えられているが、これまでの研究では氷期のSTGの深さの変化は最小であったことが示唆されている。今回我々は、北緯33度と36度の間に明瞭な氷期の水塊境界が存在し、現在よりもおよそ1 km深い、2.0〜2.5 kmまで広がっていたことを示す。この発見は、北西大西洋のハッテラス岬(北緯36度–39度)とブレークアウターリッジ(北緯29度–34度)の2つの深度トランセクトで採取した堆積物コアの底生有孔虫のδ18Oプロファイルから得られている。この結果は、メキシコ湾流を含むSTGはLGMには現在よりも深く強かったことを示唆しており、それは気候モデルシミュレーションによって裏付けられているように氷期の風応力カールが増大していたばかりでなく、氷期に密度の大きい亜熱帯モード水(STMWs)の生産がより大きかったことに原因を帰することができる。我々のデータは、(1)おそらく亜熱帯水が、これまで氷期北西大西洋中層水(GNAIW)として同定されてきた地球化学的特徴に寄与していること、(2)STGは氷期の北大西洋で、浮力損失の継続、水塊の転換、および北向きの南北熱輸送(MHT)を維持していたことを示唆している。

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