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集団遺伝学:新石器時代の農耕民の6世代にわたるペストへの反復感染

Nature 632, 8023 doi: 10.1038/s41586-024-07651-2

今から5300~4900年前(較正年代)、ヨーロッパでは広範な地域で、ヒト集団の人口が減少した。しかし、このいわゆる「新石器時代の衰退」の原因については、今なお議論が続いている。農耕の危機がこの衰退につながったという主張がある一方で、ペストの初期の型の蔓延を説く声もある。今回我々は、集団規模の古代ゲノミクスを用いて、8基の巨石墓および1基の石棺から発見された新石器時代のスカンジナビア人108人に関して、祖先系統、社会構造、病原体感染の推論を行った。その結果、新石器時代のペストが広く蔓延していたことが分かり、これは広大な地理的範囲にわたって標本集団の少なくとも17%で検出された。我々は、この感染症が、新石器時代の社会集団において約120年の間に3つの異なる感染事象により広がったことを実証する。バリアントのグラフに基づくパンゲノム解析から、新石器時代のペスト菌ゲノムが、疾患の転帰に関連する毒力因子を含め、仮性結核菌(Yersinia pseudotuberculosis)に見られる祖先的なゲノム変異を保持していたことが示された。また、複数の世代からなる4つの家系が復元され、うち最大のものは6世代にわたる38人によって構成される家系で、そこには父系制の社会構成が認められた。さらに、兄弟とは異なる巨石墓に埋葬されていた1人の女性において、新石器時代の女性の族外婚を示す直接的なゲノム証拠が示された。まとめると今回の知見は、大規模な父系親族集団におけるペストの蔓延を詳細に復元しており、新石器時代の衰退の初期のものと推定される集団で複数のペスト感染があったことを明らかにしている。

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