フォトニクス:部分的コヒーレンスによって強化される並列フォトニック・コンピューティング
Nature 632, 8023 doi: 10.1038/s41586-024-07590-y
光コヒーレンス制御の進歩によって、長距離通信、光による検出と測距(LiDAR)、光コヒーレンストモグラフィーを含め、多くの最先端用途が花開いている。広く受け入れられている知識では、さらにコヒーレントな光源の使用が、システム性能と装置機能性の強化につながることが示唆されている。本研究では、部分的コヒーレント光を利用して、精度を大きく落とすことなしに計算の並列性を高めることでさらに大きいサイズのフォトニックテンソルコアを実現する可能性のある、フォトニック畳み込み処理システムを導入した。コヒーレンスの程度を低減させることで、フォトニック畳み込み処理システムにおける帯域幅使用が最適化された。このブレークスルーは、集積化フォトニックアクセラレーターではコヒーレンスが不可欠である、または有利でさえあるという従来考えられていたことに疑問を投げ掛けるものであり、これによって、高スループットのフォトニックコンピューティングに必要なフィードバック制御や熱管理の要件がそれほど厳格でない光源の使用が可能になる。今回我々は、計算用途向けの2つのフォトニックプラットフォームにおいて、そうしたシステムを実証した。すなわち、10人のパーキンソン病患者の歩行を92.2%の精度(理論的には92.7%)で分類する並列畳み込み演算を実現する、相変化材料フォトニックメモリーを用いたフォトニックテンソルコアと、MNIST手書き数字データセットを92.4%の精度(理論的には95.0%)で分類する0.108テラ演算毎秒(TOPS)の畳み込み処理を容易にする、電界吸収変調器(EAM)を組み込んだシリコン・フォトニック・テンソルコアである。

