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熱電学:単結晶Mg3Bi2熱電材料における可塑性
Nature 631, 8022 doi: 10.1038/s41586-024-07621-8
最先端熱電材料の大半は無機半導体である。そうした材料は共有結合に方向性があるため、通常、室温での可塑性が限られており、例えば、引張ひずみは5%未満である。今回我々は、単結晶Mg3Bi2が、(0001)面(すなわちab面)方向に張力を印加すると、室温で最大100%の引張ひずみを示すことを発見した。こうした値は、従来の熱電材料の値より少なくとも1桁高く、結晶化して類似構造をとる多くの金属の性能を上回っている。実験では、変形したMg3Bi2においてすべり帯と転位が特定され、塑性変形の微視的機構として転位のすべりが示された。化学結合の解析によって、すべり障壁エネルギーが低い複数の面が明らかになり、Mg3Bi2にいくつかのすべり系が存在することが示唆された。さらに、すべり過程時の連続的な動的結合が原子面の開裂を妨ぐことにより、大きな塑性変形が持続される。重要なのは、テルルドープ単結晶Mg3Bi2が、室温でab面方向に約55 μW cm−1 K−2というパワーファクターと約0.65という性能指数を示し、既存の延性熱電材料より優れていることである。

