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進化遺伝学:ウマを用いた移動の普及はユーラシアで紀元前2200年頃に始まった
Nature 631, 8022 doi: 10.1038/s41586-024-07597-5
ウマは、高速移動を可能にすることで人類史に変革をもたらした。しかし、ウマの家畜化と、輸送手段としての広範な採用の間の時系列に関しては、いまだ議論が続いている。今回我々は、古代のウマゲノム475例を収集し、ウマがユーラシアで人間の手によって最初に作り変えられた時期を調べた。その結果、現代の家畜系統の繁殖管理は、近縁交配と世代時間短縮によって、紀元前2200年頃に始まったことが明らかになった。繁殖管理が行われるようになったのは、紀元前2700年頃以降に始まった家畜化の深刻なボトルネックの後のことで、これはユーラシア全域への急速な拡大と同時期であり、これが最終的に、ほぼ全ての地域的なウマ系統との入れ替わりにつながった。この拡大は、人類史におけるウマを用いた移動の普及の始まりを示しており、これは、紀元前3000年頃およびそれ以前のヨーロッパにおけるステップ集団の大移動にウマの大群が伴っていたという一般的な筋書きに、異を唱えるものである。さらに、紀元前3500年頃のボタイ文化においても、世代時間の大幅な短縮が見いだされた(ボタイ文化は、囲いやウマ中心の自給自足経済と関連付けられている中央アジアの定住社会である)。これは、地域的なウマの飼育が、現代の家畜血統の出現に先立って存在したことを裏付けている。

