Article
計測学:地球温暖化によって先送りされた世界の計時の問題
Nature 628, 8007 doi: 10.1038/s41586-024-07170-0
地球の自転と時間の歴史的な関連性は、協定世界時(UTC)が地球の自転に密接に従っていることを示している。自転速度は一定ではないので、UTCには不連続(うるう秒)が含まれており、これが、コンピューターネットワークにおけるその使用を複雑にしている。1972年以降、全てのUTC不連続はうるう秒が付加されることを要求してきた。今回我々は、グリーンランドと南極の氷の融解が増大していることが人工衛星重力によって測定され、これによって地球の角速度がこれまでより速く減少していることを示す。観測された角速度からこの影響を取り除くと、1972年以降、地球の流体核の角速度は一定の速さで減少しており、地球のそれ以外の部分の角速度は一様に増加していることが示された。また、核と他の関連現象の傾向を外挿して将来の地球の先行きを予測すると、現在定義されているようなUTCは、2029年までに負の不連続が必要になることが示される。これは、コンピューターネットワークの計時にこれまでにない問題を課し、計画されているよりも早くUTCの変更が必要になる可能性がある。極域の氷の融解が最近になって加速されていなければ、この問題は3年早く生じていたと思われ、これは、地球温暖化が既に世界の計時に影響を及ぼしていることを意味する。

