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免疫学:疾患関連アストロサイトのエピジェネティック記憶は中枢神経系病変を促進する

Nature 627, 8005 doi: 10.1038/s41586-024-07187-5

疾患関連アストロサイトは、多発性硬化症や、多発性硬化症の実験モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)などの神経疾患病変に関与する。しかし、これらのアストロサイトサブセットの安定性や、それらが過去の刺激事象を統合する能力については、ほとんど分かっていない。今回我々は、エピジェネティックに制御された記憶アストロサイトのサブセットが、再チャレンジに対して炎症性応答を増悪させることを特定したことについて報告する。具体的には、単一細胞RNA塩基配列解読、ATAC-seq(assay for transposase-accessible chromatin with sequencing)、ChIP-seq(chromatin immunoprecipitation with sequencing)、FIND-seq(focused interrogation of cells by nucleic acid detection and sequencing)、細胞特異的in vivo CRISPR–Cas9ベースの遺伝学的摂動研究を組み合わせて用い、代謝酵素のATPクエン酸リアーゼ(ACLY)がアストロサイトの記憶を制御しており、ACLYにより産生されたアセチル補酵素A(アセチルCoA)がヒストンアセチルトランスフェラーゼp300によって用いられてクロマチン接近可能性を制御することを明らかにした。ACLY+p300+記憶アストロサイトの数は、急性および慢性のEAEモデルで増加しており、それらを遺伝学的に不活性化するとEAEは改善された。また、in vitroでヒトアストロサイトの炎症性記憶表現型も検出され、単一細胞RNA塩基配列解読と免疫組織化学研究では、多発性硬化症の慢性病変部でACLY+p300+アストロサイト数の増加が検出された。まとめると以上の研究は、エピジェネティックに制御された記憶アストロサイトのサブセットが、EAEや、おそらくは多発性硬化症でも、中枢神経系の病変を促進することを明らかにしている。これらの知見は、多発性硬化症などの神経疾患に対する新たな治療手法の指針となり得る。

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