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進化学:ヌタウナギのゲノムと脊椎動物の進化

Nature 627, 8005 doi: 10.1038/s41586-024-07070-3

ヌタウナギ類とヤツメウナギ類は、現存する唯一の無顎類系統として、脊椎動物の初期進化を探るための極めて重要な手掛かりを与える。今回我々は、クロヌタウナギ(Eptatretus atami)の染色体規模のゲノム塩基配列を用いて、脊椎動物の全ゲノム重複およびプログラムされたDNA除去の複雑な歴史、時期、機能的役割を調べた。シンテニー解析と系統発生学的解析から得られた証拠を組み合わせることで、我々は、カンブリア紀前期における円口類と顎口類の分岐に先行する同質四倍体化(1Rv)、それに続くカンブリア紀中期~後期における顎口類の異質四倍体化(2RJV)、そしてカンブリア紀からオルドビス紀の長期にわたる円口類の六倍体化(2RCY)といった、脊椎動物のゲノム進化の全体像を明らかにした。六倍体化の後、ヌタウナギ類のゲノムには大規模な変化が生じて、染色体融合と共に、器官系に極めて重要な遺伝子(例えば、眼の発生や破骨細胞の増殖に関与する遺伝子)の喪失が起こった。この変化は、ヌタウナギ類のボディープランが単純化する一因となっている。さらに、ヌタウナギのプログラムされたDNA除去について調べたところ、発生の初期に体細胞系譜から除去されるタンパク質コード遺伝子や反復配列が見いだされた。こうした生殖細胞系列に特異的な遺伝子の除去は、生殖細胞系列と多能性の機能を抑制することによって体細胞と生殖細胞との遺伝的対立を解消する仕組みをもたらしており、これは、ヤツメウナギ類で得られている知見とも類似する。脊椎動物の初期ゲノム史を復元することは、円口類と有顎脊椎動物の進化をさらに調べるための枠組みを提供する。

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