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神経科学:加齢と統合失調症で低下するニューロン–アストロサイト協調プログラム

Nature 627, 8004 doi: 10.1038/s41586-024-07109-5

ヒトの脳は、個人ごと年齢ごとに異なるが、そうした変動を細胞の観点で説明することはまだできていない。今回我々は、ヒトの皮質ニューロンと皮質アストロサイトの関係を調べた。我々は、単一核RNA塩基配列解読を用いて、健常者と統合失調症患者を含む、22〜97歳の計191人のヒトドナーの前頭前皮質を解析した。これらのデータの潜在因子解析により、皮質ニューロンがシナプス要素をコードしている遺伝子を強く発現している人ほど、皮質アストロサイトがシナプス機能を持つ別の遺伝子やアストロサイトが供給するシナプス膜成分であるコレステロールの合成のための遺伝子を強く発現していることが分かった。我々は、この関係を、シナプスでのニューロン–アストロサイト間プログラム(SNAP)と名付けた。認知の柔軟性と可塑性の低下を伴う2つの状況である統合失調症と加齢では、細胞がSNAPを喪失していた。すなわち、アストロサイト、グルタミン酸作動性(興奮性)ニューロンおよびGABA作動性(抑制性)ニューロンの全てにおいて、SNAPの発現が症状の程度に対応して低下していた。SNAP成分はアストロサイトとニューロンで異なるが、共に統合失調症の遺伝的リスク因子が強く集中している遺伝子群に関係していた。近い年齢の健常者の間でも量的には異なっているSNAPは、通常見られる個人差の多くの面でその基礎になっている可能性があり、複数種の病態生理学的性質が収斂する重要な点かもしれない。

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