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天文学:110億年前のクエーサー中のブラックホール質量の力学的な測定

Nature 627, 8003 doi: 10.1038/s41586-024-07053-4

局所宇宙において、銀河の中心にある恒星の特性と、そうした銀河の超大質量ブラックホール(SMBH)の質量の間には密接な関係が存在する。こうした関係から、銀河とブラックホールが共進化しており、その主な調節機構が、クエーサー段階でのブラックホールへの降着による高エネルギーのフィードバックであることが示唆されている。重要な疑問は、ブラックホールと銀河の間の関係が時間とともにどのように変化するかということである。この関係を調べるために重要な時期は、星の形成とブラックホールの成長がピークを迎えた80億~120億年前(赤方偏移1~3)である。本論文で我々は、広輝線領域(BLR)を空間的に分解することで、110億年前に相当する赤方偏移2に位置する、明るいクエーサー中のブラックホールの質量の力学的な測定を行ったことについて報告する。我々は、回転しているBLRの速度勾配をトレースするHα線の赤方偏移側の画像中心と青方偏移側の画像中心の間に、40マイクロ秒角(0.31パーセク)の空間的なずれを検出した。フラックスと差分位相スペクトルは、中心部の質量が太陽の3.2 × 108倍のブラックホールの影響の及ぶ範囲内で、中程度に傾いた厚いガス雲の円盤によってよく再現された。分子ガスのデータから、母銀河の力学質量が太陽の6 × 1011倍であることが明らかになり、超エディントン降着率を受けている低質量ブラックホールが示された。これは、SMBHよりも速く成長した母銀河を示唆しており、いくつかの系では銀河とブラックホールの形成の間に遅延が存在することを示している。

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