Analysis

生態系生態学:アマゾンの森林系における臨界遷移

Nature 626, 7999 doi: 10.1038/s41586-023-06970-0

アマゾンの森林系が間もなく転換点に達して大規模な崩壊を引き起こし得る可能性があり、世界的な懸念が生じている。6500万年の間、アマゾン川流域の森林は気候の変動に対して比較的復元力を保ってきた。現在この地域は、系の中心部や遠隔地でさえ、気温の上昇、極端な乾燥、森林伐採、火事による前例のないストレスにますますさらされるようになっている。森林と環境条件の間に古くから存在するフィードバックは、生態系の復元力を変化させる新たなフィードバックに取って代わられつつあり、臨界遷移のリスクが高まっている。今回我々は、アマゾン川流域の森林に対する水ストレスの主要な5つの駆動要因に関する既存の証拠を分析するとともに、これらの駆動要因について、超えた場合に局地的、地域的、あるいはバイオーム規模にわたり森林の崩壊を引き起こしかねない臨界閾値を評価した。さまざまな撹乱に関する空間的情報を組み合わせることにより、アマゾン川流域の森林の10~47%は、2050年までに、予想外の生態系遷移を引き起こして地域的な気候変動を悪化させ得るような複合的な撹乱にさらされると推定された。アマゾン各地の撹乱を受けた森林の例を用いることで、異なるフィードバックや環境条件が関わる最も妥当な生態系の軌跡が3つ見いだされた。我々は、アマゾンに固有の複雑性が、いかに将来の動態に関する不確実性を増す一方で、同時に行動の機会を明らかにするかについて考察する。人新世におけるアマゾンの森林の復元力維持は、森林伐採や森林劣化を終わらせて森林再生を広げるための地域的努力と、温室効果ガスの排出を止める世界的努力の組み合わせに懸かっている。

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