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環境社会科学:パルプ・製紙工業の国ごとのネットゼロ戦略
Nature 626, 7998 doi: 10.1038/s41586-023-06962-0
パルプ・製紙工業は、全球の温室効果ガス排出の重要な一因となっている。各国間の不均一性が非常に大きいことを考えると、パルプ・製紙工業が2050年までにネットゼロ排出を達成するには、国ごとの戦略が不可欠である。今回我々は、主要30カ国の1961〜2019年の国内製紙関連セクターの正味の温室効果ガス排出量(同時期の全球の人為起源温室効果ガス排出量の約3.2%)の包括的なボトムアップ評価を開発し、重要な要素を網羅した2160件のシナリオを通して削減戦略を調べた。その結果、過去の排出量の変化傾向と構造が各国間で大きく異なることが明らかになった。先進国の大半は単一の方策によって、開発途上国の大半は複数の方策によって、全ての国が、2050年までにパルプ・製紙工業のネットゼロ排出を達成できる。エネルギー効率の改善とエネルギーシステムの脱炭素化以外に、森林資源の豊富な熱帯の開発途上国は、持続可能な森林管理を優先すべきであり、その一方で他の開発途上国は、メタンの捕獲率の向上と再生利用の削減により多くの注意を払うべきである。こうした知見は、それぞれの国に合わせたネットゼロ戦略を開発し、2050年までにパルプ・製紙工業がネットゼロ排出を達成するのに極めて重要である。

