微生物学:未培養タクソンの未知遺伝子の機能的および進化的な重要性
Nature 626, 7998 doi: 10.1038/s41586-023-06955-z
地球の微生物の多くは未培養で、研究が十分に行われていないため、それらの遺伝物質の機能的および進化的な面についての我々の理解は限られており、ほとんどのメタゲノム研究ではいまだに見落とされていることが多い。今回我々は、多数の生息地から得られた14万9842の環境ゲノムを解析し、未培養の原核生物タクソンに限定した、40万4085の機能的および進化的に重要な新規(FESNov)遺伝子ファミリーについてキュレーションしたカタログをまとめた。FESNovファミリーは全て多数の種にまたがっており、純化選択の強力なシグナルを示し、新しいオルソロググループとして適格であり、これによってこれまでに報告されている細菌とアーキアの遺伝子ファミリーの数がほぼ3倍になった。このFESNovカタログには、未培養微生物を門、綱、目のレベルで識別できる1034の新しいファミリーなど、クレード特異的な形質が豊富に含まれており、これらはおそらく進化的分岐を促した共有派生形質であると考えられる。ゲノムコンテキスト解析と構造アラインメントを用いて、FESNovファミリーの32.4%に機能的関連が予測された。この中には重要な生物学的過程との信頼性の高い4349の関連が含まれる。これらの予測から、仮説に基づく貴重な枠組みが示され、これを用いて、細胞の運動性に関与する1つの新しい遺伝子ファミリーと、一連の新しい抗微生物ペプチドが実験的に検証された。さらに、新規ファミリーの相対存在量プロファイルによって環境と臨床的な疾患を区別できることも実証され、大腸がんに関連する新しい複数のバイオマーカー候補の発見につながった。我々は、この研究が今後のメタゲノミクス研究を増進し、未培養微生物の遺伝的レパートリーに関する我々の知識を広げるものと期待する。

