Article
生化学:生物活性を持つらせん型ペプチドに高い親和性で結合するタンパク質をde novo設計する
Nature 626, 7998 doi: 10.1038/s41586-023-06953-1
多くのペプチドホルモンはその受容体と結合するとαヘリックスを形成する。それを検出する高感度の方法があれば、疾患の臨床管理の改善に役立つだろう。現在、構造化したタンパク質に特異的にかつ高い親和性で結合するタンパク質は、タンパク質のde novo設計によって作り出すことができる。しかし、らせん型を取ることが多い短いペプチドとタンパク質との相互作用の設計は難しい問題であり、まだ解決されていない。今回我々は、この難問に取り組むために、パラメーターの生成と深層学習を基盤としてタンパク質を設計する方法を開発した。我々はまず、RFdiffusionを拡張して柔軟な標的に結合するタンパク質を設計できるようにし、入力した構造モデルは連続的に雑音を加えたり取り除いたりすること(部分拡散)によって微調整できるようにした。その結果、らせん型のペプチド標的に対してピコモルレベルの親和性を持つ結合タンパク質は、他の方法で作成した設計を微調整することによって、あるいはランダムな雑音分布から完全にde novoスタートし、その後は実験による最適化を全く行わないやり方で作り出せることが明らかになった。このRFdiffusion設計によって、副甲状腺ホルモンとグルカゴンの濃縮とその後の質量分析による検出や、生物発光をベースとするタンパク質バイオセンサーの構築が可能になった。多様なコンホメーションをとる標的に結合するタンパク質の設計や、天然タンパク質と設計したタンパク質の両方について部分拡散による最適化が可能なこの方法は、広く役立つと考えられる。

