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微生物学:ディフィシレ菌は細胞小器官フェロソームで栄養免疫に対抗する

Nature 623, 7989 doi: 10.1038/s41586-023-06719-9

鉄は、ほぼ全ての生命に不可欠であるが、高濃度では毒性を示す。病原菌は、宿主内での生存のために、鉄の取り込み、貯蔵、解毒の戦略を進化させて鉄の恒常性を維持してきた。最近の研究から、環境中の3種のグラム陰性嫌気性細菌が、鉄を含むフェロソーム顆粒を作り出すことが示されている。しかし、フェロソームを作るのがグラム陰性細菌のみなのかどうかは分かっていない。グラム陽性細菌であるディフィシレ菌(Clostridioides difficile)は、米国における院内感染および抗生物質関連感染の主な原因である。今回我々は、ディフィシレ菌が、細胞内での鉄の生体鉱物化作用(バイオミネラリゼーション)過程を経て、生体鉱物である非晶質のリン酸鉄を含む、膜に囲まれた細胞小器官フェロソームに鉄を貯蔵することを報告する。フェロソームの形成には、鉄と鉄取り込み調節因子Furの両方によって抑制される膜タンパク質(FezA)とP1B6-ATPアーゼ輸送体(FezB)が必要であり、これらは、鉄の欠乏から過剰への移行の際の鉄恒常性において重要な役割を担っていることが分かった。また、クライオ電子線トモグラフィー法によって、フェロソームは多くの場合、細胞膜に隣接して局在化していることが示された。さらに我々は、ディフィシレ菌感染の2つのマウスモデルを用いて、このフェロソーム系が、炎症を起こした腸ではカルプロテクチンを介する鉄隔離に対抗するために活性化されていること、また、ディフィシレ菌感染の際のこの細菌の定着と生存に重要であることを実証する。

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