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化学:二重反芳香族性炭素同素体の表面合成

Nature 623, 7989 doi: 10.1038/s41586-023-06566-8

グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの合成炭素同素体は、材料科学に革命をもたらし、複数の新しい技術につながった。多くの仮説的炭素同素体が論じられてきたが、ほとんどが実験では調べられていない。最近、動的共有結合化学や表面合成などの非従来型合成戦略を用いて、γ-グラフィン、フラーレンポリマー、ビフェニレンネットワーク、シクロ炭素などの新形態の炭素が合成された。シクロ[N]炭素は、N個の炭素原子で構成される分子環である。これまでに報告された3種(Nが10、14、18)は二重芳香族性であり、「二重反芳香族性のシクロ炭素を合成することは可能か」という疑問が生じる。今回我々は、探針誘起表面化学を用いることによって、反芳香族性炭素同素体のシクロ[16]炭素を合成し、特性評価したことを報告する。我々は、原子間力顕微鏡法で構造情報を得るとともに、走査型トンネル顕微鏡法を用いて軌道密度マップを記録することでその電子構造を調べた。シクロ[16]炭素における結合長変化の観察によって、その二重反芳香族性が裏付けられ、これは理論と一致する。C16は、構造が単純なので、芳香族性の限界を研究する興味深いモデル系になるとともに、反応性が高いので、新規炭素同素体の有望な前駆体となる。

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