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免疫学:PD-1は皮膚のネオアンチゲンに対してCD8 T細胞寛容を維持する
Nature 619, 7968 doi: 10.1038/s41586-023-06217-y
健常者の末梢T細胞レパートリーには、自己反応性T細胞が含まれている。PD-1などのチェックポイント受容体は、自己反応性CD8 T細胞の除去あるいはアネルギーによって末梢性寛容の誘導を可能にすると考えられている。しかし、チェックポイント阻害剤治療を受けたがん患者で高頻度の免疫関連有害事象が見られることから、このモデルには疑問が投げ掛けられている。本論文で我々は、表皮においてT細胞抗原を皮膚特異的に発現させることで、エフェクター遺伝子発現プロファイルを持つ抗原特異的CD8 T細胞の局所浸潤を引き起こすマウスモデルを開発した。この状況では、PD-1は組織に浸潤する抗原特異的エフェクターCD8 T細胞を(1)十分に機能的な病原性の分化状態にさせず、(2)有意な量のエフェクター分子を分泌させず、(3)表皮抗原を発現する細胞へ接近させないことで、皮膚における寛容の維持を可能にする。PD-1非存在下では、表皮抗原を発現する細胞は、抗原特異的CD8 T細胞によって排除され、局所的な病態を引き起こした。皮膚苔癬様の免疫関連有害事象を示した2人の患者由来の皮膚生検のトランスクリプトーム解析では、皮膚の病変部と非病変部の両方で、クローン増殖したエフェクターCD8 T細胞の存在が明らかになった。このように我々のデータは、PD-1が免疫病態を引き起こすことなく、抗原特異的エフェクターCD8 T細胞と抗原発現細胞の組織内での共存を可能にするという、末梢T細胞寛容の新たなモデルを支持している。

