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物性物理学:不均衡な電子–正孔二重層における励起子トポロジカル秩序

Nature 619, 7968 doi: 10.1038/s41586-023-06065-w

相関とフラストレーションは、物理学において重要な役割を果たしており、新しい量子相を生じさせる。典型的なフラストレート系の1つが、長距離量子エンタングルメントを伴うトポロジカル秩序が存在する可能性があるモートバンド(moat band)上の相関ボソンである。しかし、モートバンド物理の実現はまだ困難である。今回我々は、浅く反転したInAs/GaSb量子井戸におけるモートバンド現象を調べ、不均衡な電子密度と正孔密度の下での、時間反転対称性を破る非従来型の励起子基底状態を観測した。我々は、大きなバルクギャップが存在し、それがゼロ磁場(B)で広範囲の密度不均衡を包含しており、ヘリカル輸送に類似したエッジチャネルを伴うことを見いだした。増大する垂直なBの下で、このバルクギャップは持続し、ホール信号の異常なプラトーが現れる。これは、35テスラで、ヘリカル様エッジ輸送から、ホールコンダクタンスがe2/hにほぼ等しいカイラル様エッジ輸送へ変化することを示している(eは素電荷、hはプランク定数)。理論的に、我々は、密度不均衡から生じる強いフラストレーションが励起子のモートバンドにつながり、その結果、時間反転対称性を破る励起子トポロジカル秩序が生じ、これによって今回の全ての観測結果が説明されることを示す。今回の研究は、対称性保護されたトポロジカル相の枠組みを超えて、ボソン分数量子ホール効果を含むがこれには限定されない固体状態におけるトポロジカルなボソン系や相関ボソン系の研究に新たな方向性を開くものである。

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