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量子情報:超伝導回路を用いたループホールのないベル不等式の破れ
Nature 617, 7960 doi: 10.1038/s41586-023-05885-0
重ね合わせ、エンタングルメント、非局所性は、量子物理学の基本的な特徴をなしている。量子物理学が局所因果律の原理に従わないことは、空間的に分離されたエンタングルした対をなす量子系で行われるベル実験によって、実験的に実証できる。ベル実験は、量子物理学のリトマス試験と広く見なされており、過去50年以上にわたってさまざまな量子系で調べられてきたが、いわゆるループホールのない実験が成功したのは比較的最近のことである。そうした実験は、窒素–空孔中心のスピン、光学光子、中性原子を用いて行われてきた。今回我々は、量子計算技術を実現する有力な候補である超伝導回路を用いて、ループホールのないベル不等式の破れを実証する。我々は、Clauser–Horne–Shimony–Holt型のベル不等式を評価するために、1対のキュービットを決定論的にエンタングルさせ、30 mの距離にわたる極低温リンクを通して接続されたキュービット上の無作為に選択された基底に沿って高速かつ高忠実度の測定を行った。そして、100万回以上の実験の結果を評価し、平均S値が2.0747 ± 0.0033であり、ベル不等式が10−108以下のP値で破れていることを見いだした。今回の成果は、非局所性が、超伝導回路を用いて実現される量子情報技術における実現可能な新しいリソースであり、量子通信、量子計算、基礎物理学において応用できる可能性があることを実証するものである。

