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腫瘍生物学:オルニチンアミノトランスフェラーゼは膵臓がんにおけるポリアミン合成を支えている
Nature 616, 7956 doi: 10.1038/s41586-023-05891-2
膵管腺がん(PDA)は、発生率が増加傾向にある、予後不良で高致死率の悪性腫瘍で、PDAに対する効果的な治療法の開発が必要とされている。腫瘍の代謝を標的とすることは、10年以上にわたる盛んな研究の焦点だったが、腫瘍代謝の可塑性と毒性リスクの高さが、この抗がん戦略の制約となってきた。本論文で我々は、ヒトとマウスのin vitroおよびin vivoのモデルにおいて遺伝学的手法と薬理学的手法を用い、PDAが、グルタミンからのオルニチンのde novo合成に明確に依存していることを示す。オルニチンアミノトランスフェラーゼ(OAT)が仲介するこの過程は、ポリアミン合成を支えており、腫瘍の増殖に必要であることが明らかになった。この方向性を持つOAT活性は、通常はほぼ乳児期に限定されており、成体のほとんどの正常組織や他のがん細胞タイプが、ポリアミン合成においてアルギニン由来オルニチンに依存しているのとは対照的である。この依存性は、PDAの腫瘍微小環境内でのアルギニン枯渇と関連しており、変異型KRASによって駆動される。活性型KRASはOATとポリアミン合成酵素の発現を誘導し、PDA腫瘍細胞でトランスクリプトームとオープンクロマチン全体像の変化を引き起こす。PDAは、OATを介したde novoオルニチン合成に明確に依存しているが、正常組織は依存していないため、膵臓がん患者に対する毒性を最小限に抑えた魅力的な治療手段がもたらされる。

